ミノキシジル注射は、その効果への期待感から魅力的な治療法に映りますが、針を体に刺す医療行為である以上、必ず副作用やリスクが伴います。治療を検討する際には、その光の部分だけでなく、影の部分についても正確に理解し、十分に納得した上で臨むことが極めて重要です。まず、注射そのものに伴う一般的な副作用として、「痛み」「出血」「内出血」「腫れ」「赤み」などが挙げられます。これらは通常、数時間から数日で治まる一時的なものですが、痛みの感じ方には個人差があります。施術時には冷却や麻酔クリームなどを用いて痛みを緩和するクリニックが多いですが、全くの無痛ではないことを覚悟しておく必要があります。次に、ミノキシジルという薬剤自体が持つ副作用です。これは外用薬や内服薬と同様に、注射でも起こり得ます。「初期脱毛」は、ヘアサイクルが正常化する過程で、休止期にあった古い髪が一時的に抜け落ちる現象で、治療が効いている証拠とも言えますが、精神的な負担となることがあります。また、ミノキシジルの血管拡張作用により、「動悸」「めまい」「頭痛」「むくみ」といった症状が現れる可能性もゼロではありません。さらに、本来生えてほしくない場所の毛が濃くなる「多毛症」も、ミノキシジルの代表的な副作用の一つです。そして、最も注意すべきリスクは、ミノキシジル注射が「国内未承認の治療法」であるケースが多いという点です。これは、国がその有効性や安全性を公的に保証しているわけではないことを意味します。そのため、治療はすべて健康保険が適用されない「自由診療」となり、費用は全額自己負担です。万が一、重篤な健康被害が生じた場合に、国の医薬品副作用被害救済制度の対象とならない可能性もあります。だからこそ、安易な広告や価格だけで判断せず、医師の経験や実績、リスクに関する説明の丁寧さなど、信頼できるクリニックを慎重に選ぶことが、自らの身を守る上で何よりも大切になるのです。
知っておくべきミノキシジル注射の副作用とリスク