どのような医薬品にも主作用があれば副作用のリスクが存在しますがフィナステリドに関しても例外ではありません。AGA治療薬としての有効性は世界中で認められていますが服用を開始する前に起こりうる副作用について正しく理解し適切なリスク管理を行うことが長期的な治療において極めて重要です。フィナステリドの主な副作用として臨床試験や市販後調査で報告されているものにはリビドー減退つまり性欲の低下や勃起機能不全そして射精障害などの性機能に関するものが挙げられます。これらの副作用の発現率はデータによれば数パーセント程度と決して高くはありませんしプラセボ効果すなわち思い込みによる影響も含まれている可能性がありますが男性としての自信やパートナーとの関係に関わるデリケートな問題であるため不安を感じる人は多いでしょう。また稀にではありますが肝機能障害が起こる可能性も報告されています。肝臓は薬の成分を代謝する重要な臓器でありフィナステリドに限らず多くの薬剤が肝臓に負担をかける可能性があります。そのため服用を開始する前には血液検査を行い肝機能のベースラインを確認しておくことが望ましく服用中も半年に一回程度は定期的な検査を受けることで早期に異常を発見できる体制を整えておくべきです。さらにフィナステリドを服用する際に注意しなければならないのがポストフィナステリドシンドロームと呼ばれる現象です。これは服用を中止した後も性機能障害や抑うつ症状などが持続するという報告ですが現時点では医学的な因果関係が完全に解明されているわけではありません。しかしメンタル面への影響もゼロではないことを念頭に置き気分の落ち込みなどを感じた場合は一人で抱え込まず早めに医師に相談することが大切です。もう一つ忘れてはならないのが前立腺がん検診を受ける際の極めて重要な注意点です。フィナステリドは前立腺がんの腫瘍マーカーであるPSA値を約半分に低下させる作用があります。そのため検診を受ける際には必ず担当医にフィナステリドを服用している旨を申告しなければなりません。申告を怠るとPSA値が見かけ上低く出てしまいがんの見落としにつながる危険性があるからです。副作用を過度に恐れる必要はありませんが正しい知識を持ち自分の体の変化に敏感になることで安全に治療を続けることができます。