私たちの頭髪は一度生えたら永遠に伸び続けるわけではなく一定の期間成長した後に自然に抜け落ちてはまた新しい髪が生えてくるというサイクルを繰り返しておりこれをヘアサイクルあるいは毛周期と呼びます。このサイクルは大きく分けて成長期と退行期そして休止期という三つの段階で構成されておりこのリズムが正常に保たれている限り髪の総量は一定に維持され極端に薄くなることはありません。サイクルの大部分を占めるのが成長期であり通常は二年から六年ほど続きますがこの期間中毛根の奥にある毛母細胞は活発に細胞分裂を繰り返し髪を太く長く成長させます。男性よりも女性の方がこの成長期が長い傾向にありそれが女性の方が髪を長く伸ばしやすい理由の一つとなっています。成長期の終わりを迎えると髪は退行期へと移行し二週間から三週間という短い期間で毛母細胞の分裂が急速に低下し毛根が縮小して毛乳頭から離れ始め髪の成長は完全にストップします。その後髪は休止期に入り三ヶ月から四ヶ月ほどの間毛根の中に留まりながら次の新しい髪が生えてくるのを待つ状態になりますがこの時期の髪はブラッシングやシャンプーなどのわずかな物理的刺激で簡単に抜け落ちてしまいます。そして休止期が終わると奥で待機していた新しい髪の芽が活動を開始し古い髪を押し出すようにして再び成長期がスタートするというのが一連の流れです。健康な頭皮では全頭髪の約八五パーセントから九十パーセントが成長期にあり残りの十パーセント程度が退行期や休止期にあると言われていますがこのバランスが崩れると薄毛や抜け毛の原因となります。例えばストレスやホルモンバランスの乱れ栄養不足などが引き金となって成長期が極端に短くなると髪が十分に太くなる前に抜けてしまったり休止期の髪の割合が増えて全体のボリュームが減ってしまったりするのです。ヘアサイクルは一生のうちに十五回から二十回程度繰り返されると言われていますが毛包の寿命には限りがあるため加齢とともにサイクル自体も徐々に鈍くなり最終的には新しい髪が生えてこなくなることもあります。自分の髪の状態を知り適切なケアを行うためにはまずこのヘアサイクルのメカニズムを正しく理解し今自分の髪がどの段階にあるのかあるいはどのプロセスに異常が生じているのかをイメージすることが非常に重要な第一歩となるのです。
髪の生え変わりを決める周期の基礎知識